■ダイヤモンドは何色か
「ダイヤモンドは何色の宝石ですか?」
そう質問されたとして、皆様は何と答えるでしょうか?きっと多くの人は無色と答えるのではないかと思います。結論から言ってしまうとこれは半分正解で、もう半分は不正解になります。
国内外を問わず、宝石市場に出回っているダイヤモンドはそのほとんどが無色のものです。一方で、有色のカラーダイヤモンドと呼ばれるものも非常に稀ながら存在しています。持ち主を不幸にする宝石として今でもしばしばメディアに取り上げられる「ホープダイヤモンド」がブルーダイヤモンドであったことをご存知の方は、そう言えば・・・と得心していただけるのではないでしょうか。
現在はスミソニアン博物館に保管されている45.5ctのホープダイヤモンド
41ctでグリーンダイヤモンドとしては世界最大のドレスデングリーンダイヤモンド
■天然カラーダイヤモンドと人工処理、及び合成ダイヤモンド
天然のカラーダイヤモンドは希少で、小さくとも高額になりがちです。敢えて天然のと断りを入れたのは、天然以外の、人工処理が施されたカラーダイヤモンドが市場に氾濫しているからです。人工処理としてよく行わものとしては、高温高圧処理や放射線処理等が挙げられます。そういった手段で人工的に色を改変したものの鑑定書にはカラット・カット・クラリティの記載はあっても、カラーグレードの等級が付かないので簡単に見分けることができます。販売されているカラーダイヤモンドが安すぎると感じたら、人工処理を疑ってみてください。
人工処理による色の改変の他に、近年出回り始めたものでは中国による合成ダイヤモンドが挙げられます。こちらは色を改変させるのでなく、本来は地球のマグマの活動によって作り出されるダイヤモンドを、高温高圧機を使うことで一から生み出す手法になります。
ある時までは人工合成ダイヤモンドは産業用にのみ使用されていました。しかし、技術の進歩に伴いよりクオリティの高いダイヤモンドが低コストで生成されるようになってきており、特にカラーダイヤは天然のものよりも遥かに割安に生成できるようになってきています。
現状、天然ダイヤと合成ダイヤは市場において棲み分けがなされていますが、ダイヤを購入する際は注意が必要です。どうあれ、天然カラーダイヤモンドを産出する鉱脈が世界的に枯渇しかけている現状を鑑みるに、これから天然のカラーダイヤは今まで以上に高額になり、市場に人工生成されたカラーダイヤが流入してくることは間違いないでしょう。
人工的にダイヤモンドを作り出す装置
GE社による合成ダイヤモンド
■カラーダイヤの色と価値
ひと口にカラーダイヤと言っても、その色は多様で、また色によって評価は大きく異なります。世界的な宝石の鑑定機関であるGIA(Gemological Institute of America)はブルー、レッド、ピンク、パープル、バイオレット、グリーン、オレンジ、イエロー、ブラウン、ブラック、グレー、ホワイトの12色を挙げていますが、実際にはこれらが混じり合って複雑な色をしている場合が多く見受けられます。
色の価値としては、希少性という観点からレッドが最も高く、次いでバイオレット、ブルー、パープルが来ます。敢えて順位付けをすればグリーンとオレンジがその次で、ピンク、ブラウン、イエローとなりますが、ここら辺は簡単には割切れません。
イエローの中でも濃くてはっきりとした色合いのものは価値が高くなりますし、特に「カナリーイエロー」と呼ばれる最上級の色をしたものの中には、オークションハウスで取引される程の一品も存在します。ブラウンダイヤに関しても、「シャンパン」や「コニャック」と呼ばれる色のものには一定の需要がありますし、ピンクダイヤに至っては、主要生産地であったアーガイル鉱山が枯渇間近となり価格が急上昇しています。上記は価格の傾向であり、最終的には目で見てより綺麗なものに高い価格が付けられるというのが大原則です。
カラーダイヤモンドは高価ではありますが、質の良いものは小さくても十分に存在感を発揮してくれます。以下ではSINDBADで取扱っているカラーダイヤモンドをつかったジュエリーをご紹介します。
0.222ctの天然ブルーダイヤモンド。ブルーダイヤの周りを囲むピンクダイヤモンドももちろん天然です。当店の看板商品。
小ぶりなカラーダイヤであっても、デザイン次第で魅力を十二分に引き出すことができます。
いかがでしたでしょうか。このページではカラーダイヤモンドのさわりを紹介したに過ぎませんが、少しでも興味を持っていただければ幸いです。また、天然のカラーダイヤモンドを使用したジュエリーをお探しの方は、以下のボタンから是非とも当店自慢のコレクションをご覧ください。