SINDBAD STORY

1975年のスリランカ

世界周遊と宝石との出会い

すべての始まりは1975年のスリランカ。世界周遊の最中、その日の風と気分に任せて各地を放浪していた私は、なんのアテもなしにこの地に降り立った。

その当時のスリランカは今と違って本当にたくさんの宝石が毎日採掘されていた。スターサファイヤ、キャッツアイ、ブルーサファイヤといった希少石が大量に採掘されては、市場で取引されていた。その頃はまだカッティングマシーンの精度があまりよくなかったため、多くは取引所の近くに軒を連ねる職人たちの手によって研磨されていた。ぼんやりとした原石が磨かれ、きらきらと輝く宝石に姿を変えていく。その様子は何度見ても飽きない作業だった。

そんな研磨されていく原石を毎日見ているうちに、宝石についてわかることが増えてきた。同時に、自分がこれらの宝石に魅入られ始めていることにも気付いていた。数週間が経つ頃には、この原石はどんな風にカットされていくのか、またこの宝石の価値はどれぐらいなのかということが、おおよそながらわかるようになっていた。

訪れた転機

ある日、ツアーで市場を訪れる日本人のガイドをやってくれないかと大手の宝石店から声がかかった。ふたつ返事で引き受けた私は、それから当座は観光客のガイドに従事し、しばらくすると日本からの宝石バイヤーを案内するようにもなっていた。

その頃から、自分でも少ない元手ながらいくつかの宝石を市場で仕入れ、世界中から集まってくるバイヤーを相手に取引を行うようになった。私の宝石商としてのキャリアのスタートである。そうしてスリランカを振出しに、徐々に宝石の種類・金額・取引相手を増やしていき、いつしかインド、インドネシア、香港に顧客を持つようになっていた。

SINDBADの始まり

ある日、大きな極上のイエローサファイヤをボンベイの大きなバザールにある宝石店で見せていた時のことである。真っ白なクルタを着たインド人の店主が、「ずいぶんといい石を持ってるじゃないか。あんた名前は何と言うんだい」と聞いてきた。その時冗談交じりに口にしたのが、当社のブランド名となった「SINDBAD」である。

1980年、日本に戻りスリランカの非加熱サファイヤを中心に販売を始めた。しかしその当時の日本では非加熱サファイヤの価値はあまり理解されず、再びスリランカに拠点を移す。一方で、希少で高品質の宝石を扱っているということが口コミで徐々に広がっていき、日本にもお客様が増えていった。1985年、福島県郡山市に宝石店シンドバットを開店。英語表記にしようかとも思ったが、発音重視で店名は「宝石店シンドバット」、ブランド名を「SINDBAD」とした。

良質な宝石を求めて

1989年、ベルギーよりダイヤモンドの買い付けを行い、その当時としては大変珍しいハイグレードのダイヤモンドを扱いを開始する。さらに良質なメレダイヤを求め、バンコクのダイヤモンド研磨工場と取引を始めた。これが、小さなダイヤモンドでも驚くほど光ると評判になった。この頃から「無名ブランド、だけど海外の現地から仕入れた特級の宝石を扱っている」という評を受けるようになる。

近年では特に香港やタイを中心に海外にある宝石の集散地に足を運び、良質な宝石の買い付けを行っている。そして今日、SINDBADは長年培った宝石を見る確かな目で「こだわりを持つ宝石商」として多くのお客様から支持されている。

スリランカ
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