ペンダント ヘッド – ダイヤモンド(1.053ct) ピンクダイヤモンド(0.058ct) 中央宝石研究所鑑定書付き

小話

イエローダイヤモンドはその言葉が含んでいる範囲が広く、誤解を受けやすいダイヤモンドです。まず、大きな分類として天然無処理のものと人口処理されたものに分かれます。特に、インターネット上で販売している商品にこの言葉が使われている場合は、高温高圧処理や放射線処理等の手段で人工的に色を改変したものを指しているケースが散見されます。そういったものの鑑定書にはカラット・カット・クラリティの記載はあっても、カラーグレードの等級が付かないので簡単に見分けることができます。人口処理を行ったイエローダイヤは一見すると天然物より色鮮やかに見え、価格もはるかに安価です。しかしながら、人工的に色を付け足したダイヤモンドに価値を感じられないため、当店では販売を行っていません。SINDBADでは天然無処理のイエローダイヤのみを取扱っています。

次の分類として、天然無処理の中でも「ファンシーカラー」か否かになります。一般的に、ダイヤモンドは無色に近いほど価値が高いとされ、完全無色ならDカラー、そこから色が付いて黄ばんだり茶ばんだりしていくに従ってE、F、Gと等級が下がっていきます。この説明をすると、お客様から質問を受けることがあります。Dカラーから遠い、例えばNカラーで黄色がかったダイヤモンドはイエローダイヤと呼べるかどうかという質問です。

答えは否です。分類上、黄色がかったＫ～Ｍカラーのダイヤは「フェイントイエロー」、Ｎ～Ｒカラーは「ベリーライトイエロー」、Ｓ～Ｚカラーは「ライトイエロー」と名称がつけられて、「イエロー」という言葉が入っていますが、これらはあくまで『黄ばんだ無色ダイヤ』の扱いになります。すなわち、宝飾的にはイエローダイヤとは見做さないということになります。Zカラーよりもさらに色が濃いものには「ファンシーイエロー」という名称がつけられ、正式にイエローダイヤとして扱われるようになります。カラーグレード上は最低のZカラーの黄色いダイヤが、理想とされる無色からさらに遠ざかることによって「ファンシーイエロー」として扱われ価値がグッと高まるというのは興味深いことと言えるでしょう。補足すると、「ファンシーイエロー」とされる色よりも色の濃いダイヤは「ファンシーインテンスイエロー」とされ、それよりも更に色の濃いものは「ファンシービビットイエロー」と呼ばれます。言葉だけの説明ではいまいちピンとこないかも知れませんが、最初のうちは鑑定書のカラーグレードで「ファンシー」と書かれているものがイエローダイヤであり、カラーダイヤの条件だと理解していただければと思います。

最後に、キズや内包物の多寡を示す指標、クラリティについて触れます。カラーダイヤの場合、無色ダイヤとは選ぶポイントが少し違ってきます。クラリティーグレードの高い方が価値が高くなるのは無色ダイヤと同様ですが、先ほど挙げた「ファンシーインテンス」や「ファンシービビット」の様な色の濃いイエローダイヤモンドは、SI2～I1といった無色ダイヤならば肉眼でキズやインクルージョンが発見できる等級であっても、色の濃さに隠れてそれらが見えないか、あるいは目立ちにくくなっていることが多々あります。そういったものでも鑑定書上は低クラリティとなりますので値段は手頃になります。イエローダイヤは鑑定書で品質がほぼ完全に可視化されている無色ダイヤとは異なり、評価も値付けも人によって幅があります。ですから、イエローダイヤを選ぶ際は鑑定書の情報を参考にしつつも、最後はご自分の好みと直観で選ぶ事をおすすめします。