2.テオフィロ・オトニまでの道のり

まずはサンパウロまで

今回の買付けの目的地はブラジル・ミナスジェライス州にあるテオフィロ・オトニ(Teofilo Otoni)です。テオフィロにたどり着くためには、まずはサンパウロに行く必要があります。

日本からサンパウロへの直行便はないようなので、ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港を経由します。JALとアメリカン航空のコードシェア便で13時間。乗り継ぎの待ち時間が4時間、ニューヨークからサンパウロまで10時間、合計27時間の長旅でした。

JFK空港にて、2つの誤算がありました。ひとつは入国審査です。入国審査はアメリカ人、ESTAで初入国の人、ESTAで2回目の入国の人、と別れて審査を受けます。私はESTA初入国組だったのですが、この列がなかなか進みません。スタッフの指示に従って何度か並ぶレーンを変更しましたが、ゲートはあれど入国審査官はおらず、結局入国審査が終わるまでに2時間かかりました。飛行機から降りて米国に入るまでの間に疲れてしまいました。

ふたつ目の誤算は、サンパウロ行きの飛行機が出るターミナルに待合いラウンジがなかったことです。正確には、わたしが持っているプライオリティパスで入れるラウンジがありませんでした。

プライオリティパスとは$429の年会費で世界中の空港のラウンジが使えるカードです。ただしこのプライオリティパス、$429の年の会費を払わずとも手に入れることができます。『楽天プレミアムカード』に申し込めばいいのです。楽天プレミアムカード(年会費1万円)に申し込めば、無料でこのカードが手に入ります。わたしはこの方法でプライオリティパスを入手しました。

当初の予定ではサンパウロ行きの飛行機が出るまでの4時間余り、JFK空港のラウンジで優雅に飛行機を待とうと思っていたのですが、調べてみると飛行機が出るターミナル8にはプライオリティパスで使えるラウンジがありません。代わりにプライオリティパスを提示すると割引を受けられるステーキハウス(なぜ?)がありましたが、さすがにパス。搭乗ゲート前のイスに座っておとなしく過ごしました。

復路で立ち寄ったエールフランスのラウンジ(JFK空港・ターミナル1)

ひとつ感心したことがあったとすると、空港のwifiが爆速だったことです。PCを使っていてびっくりするくらい早かったので、速度を図ってみたら8.2Mbpsでした。無料の公共wifiの速度としては驚異的な数字ではないでしょうか。(しょっちゅう接続が切れる成田空港のwifiとは比べ物になりません)。ゲートで1時間ほど過ごした後、搭乗ゲートが開きました。

サンパウロからテオフィロまで

サンパウロのグアルリョース国際空港には午前中に着きました。まずはSIMカードを調達しようと思ったのですが、それらしい売り場がありません。空港の売店スタッフに「SIMカードはどこで買えますか?」と質問したところ、”English, No”と返されてしまいました。簡単な英語すら喋れないし、そもそも喋ろうとすらしないという、日本では考えられない潔い姿勢にカルチャーショックを受けてSIMカード探しは諦めました。Wifiでなんとかするスタンスにしたのです。(空港ですらこの有様なので、田舎に行くともっと英語が通じません。テオフィロの食堂ではOrange juiceを注文するにもボディランゲージが必要でした)

空港近くのホテルで1泊し、次の日に今回の旅に同行してくださるFさんと空港で落ち合いました。合流の前日にサンパウロ入りをしたのは、飛行機が遅れて合流できなくなる可能性があったため。航空機の遅延は南米ではよくあることなので、万全を期しました。

グアルリョース国際空港で無事にFさんと落合い、ベロリゾンチ行きの飛行機に乗りました。ベロリゾンチ(Belo Horizonte)は英語に直すとBeautiful Horizonで、名前通り地平線が見えそうなほど起伏が乏しい土地が特徴的でした。そこからプロペラ機でゴベルナドル・バラダレスへ。

ベロリゾンチ上空からはいくつもの採掘跡が発見できました

ベロリゾンチにもゴベルナドル・バラダレスにも宝石街はありますが、集約されておらずブローカーが分散してしまっていることと、なにより値段がテオフィロに比べて割高なので、ベストな買付け場所とは言えません。テオフィロはゴベルナドル・バラダレスの空港からさらに車で2時間行ったところにあります。

ベロリゾンチからゴベルナドル・バラダレスへは小型のプロペラ機でした

迎えに来てくれていたFさんの知り合いの車に乗り、いざ目的地へ。車に乗っていると、道々でいろいろな動物に遭遇します。道草を喰っている馬、放牧されていたる牛やヤギ、繋がれたラバなんかがいて、眺めているだけで飽きない道のりでした。

馬が移動や輸送の手段として日常的に活躍しています

南国の木々と白いヤギ

これひとつが巨大な石ころです

驚いたのが、ドライバーの運転が非常に荒いこと。スピードの出ない大型トラックが前にいるとなかなか進めないのは日本の高速道路でもあることですが、こちらの乗用車は片側1車線だろうと平然と対向車線に入り、追い越しを行います。ですので、交通事故が絶えないのだとか。

追越禁止の標識が至る所にあります

こうして2時間程のドライブを経て、無事にテオフィロの街に到着しました。

次回は3.宝石の街、テオフィロ・オトニです。

SINDBADのブラジル買付紀行